羽毛布団のダウンと生地について

2020/07/28

羽毛布団へのこだわり(おせっかいですが一見の価値有り)
羽毛と羽根は違います。
簡単に言うと羽毛は羽軸(うじく)がほとんど無く、羽根は羽軸が毛の先まで有ります。
※羽軸とは毛の部分が付いているボールペンの芯の様な形をしている軸の事です。
例えば耳掻きの先についているふわふわしている「綿毛」がダウンで、芯があり薄く平たい部分が「羽根」と思って下さい。

羽毛は立体的でタテ・ヨコ・高さに広がりますが、羽根は平たく嵩は無く「羽軸」が側生地と擦れてガサガサとうるさく、時にはチクチクと痛いときもあります。
特に大き目な羽根は「羽軸」が折れると中の粉のような組織が出る事もあります。
粉はダニの餌になるのでダニが嫌いな人は要注意です。
(粉はダニを通さない羽毛布団の専用生地からでも外に出ます。)


「フェザーよりダウンが良い」と言われるのはソフトな肌沿いと充分な嵩だかにあります。

羽毛布団 ラベル日本羽毛製品共同組合ラベル

※以上のラベルは量販店や通販店、特価品などと同じになるため専門店側では「さらに厳しい自社基準ラベルなど」を使用する(西川をはじめ優良業者の専門店販売用など)も多くなりました。

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良い羽毛は?
もちろん寒い冬を越してきた成熟した親鳥の羽毛
です。
ダック(あひる)でもグース(がちょう)でも「大きく強い嵩のあるダウン」を持っています。
例えば子供(未熟)のグースなら大人のダックの方がずっーと良い素材です。

ダウンの色は品質と全く関係なくて「シルバーダウン」や「ナチュラルダウン」などと言って灰茶色がほとんどですが良質のものも多く出回っています。
その中でもアイダーダウンやネオ・アイダー等といわれる何十万円から百万円以上もする超高級品(希少価値)はむしろ、茶やグレーの本来の鳥の羽毛の色をしています。

多くは食用の鴨(アヒル)やガチョウから専用の機械で羽毛を採る事が多いです。良いものは羽毛が痛まないように手で優しく選別します。生きている鳥からむしり取る様な事はしません。この事を「ハンドピック」や「手摘みダウン」といいます。

名が通っていて上等なものとしては「アイダーダウン」や「エッグダウン」、「マザーグース」などがあります。                          ※アイダーダウンでも最高級品と言われる羽毛は「産卵から子育て後の巣」から採取します。ちなみに最高級の羽毛を持つアイダーは「ダック」です。

産地はポーランド、ハンガリー、フランス、イギリス、ドイツ、ルーマニア、カナダ、中国、ロシア、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、アイルランド、アイスランド、グリーンランド等など・・・など特に北半球の国の寒い地方が産地として数多くあります。

どの地域でも野菜などと同じで毎年出来具合が変化していますので地域の差よりも気象条件と生産努力が品質の違いとなっていると思います。

混合率って・・?
「混合率が95%というのは、ダウンが95%でフェザー
などが5%で混合のものということです。」
この表示には記述に少し注意が必要です。
細かく言うと
フェザーとありますがスモールフェザー
とは違いますので・・・この場合は触ると「羽根」(フェザー)の大きさが誰でもよくわかります。

スモールフェザーは「短くて羽軸が細くしなやか」、フェザーはいわゆる「羽根」です。
混合率は許容範囲が数%と言う事まで考えると比率は目安と考えたほうが良いでしょう。

日本工業規格(JIS)では混合率が
ダウン50%以上のものを「羽毛布団」、ダウン50%未満のものを「羽根布団」といいます。

混合率の限度は機械でダウンとスモールフェザーなどを選別しますのでダウンの比率の上限は物理的には97%位と言われています。

※羽毛布団のかさ高表記は原毛段階の数値で、製品の厚さを示すものではありません。

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羽毛布団のリフォーム  羽毛布団のリフォーム  


生地・・・・羽毛と同じか、それ以上に重要と考えています。

先ずは一言、羽毛の専用の生地はダニを通さないのでご安心下さい。
ダニの大きさは約0.2mm、生地の目はそれより小さいのが普通だからです。

「しなやかな生地を両面に使っているもの」が羽毛のソフトな肌沿いを発揮させる良い生地です。

表面には「絹・絹混」「超ソフト生地」を使っているのに「表裏面の感触に著しい差があるもの」は表示がどんな良くても「粗悪品」と判断しています。

最近、綿とポリエステルの混紡生地が多くなりました。軽量で薄物などは乾燥が早いのでお洗濯がご家庭で出来るものも増えています。代表的な生地はKAGEYAMA社のエヴィート(R)、インビスタ社のマイクロマティーク(R)があります。

価格面ではエヴィート(R)、密度や耐久性、柔らかさではインビスタ社のダクロン(R)マイクロマティーク(R)の混紡生地がエヴィートより優れています。

思うに、エヴィート(R)は羽毛よりポリエステルなどの化学繊維綿の方が良いかと思います。

本来は同じのはずですが基本になる生地の糸が超長綿の60双糸、80双糸・・と言っても染色やその肌触りは広告だけでは判断が難しいものも有ります。
一番良いのは直にその羽毛布団を触って見るのが良いでしょう。「良い生地はガサガサ・パリパリしていません。」

※60双糸、80双糸とは生地を織る糸の太さ(デニール)と織り方の呼び名です。

「なにはともあれ、羽毛布団は少なくとも10年はメンテナンス無しで使うものと思っていますので・・・・。」店主


仕立・・・・意外と知らないこの縫製

少し前までは表面の生地と裏面の生地を直接縫い合わせる通称「ベタキルト」または「平キルト」と言う縫製方法をしていました。
これはとてもふくらみが良くて見た目には「暖かそう」でも・・・縫い目の部分には「生地」しかないのでスカスカして「冬用」としてはあまり専門店でお薦めしていません。特価品に良くある「見た目」重視の縫製です。
  
宣伝では「見てください。いいふくらみしてますよ。」「高級品特有のパワーを感じますね。」等々・・には要注意です。
最近ではこの縫製は主に薄いダウンケット(肌掛け)や2枚合わせ(デュエットタイプ)等の一部に使われています。

◇上記の表生地と裏生地の間に3~6センチほどのテープ状の生地を縫製したのが「立体キルト」と言われているものです。
現在では羽毛布団のほとんどはこの縦の仕切りの有る縫製をしています。
縫い目の部分も上下の生地の間の仕切り生地のおかげで薄くても十分な「暖かさ」が得られる工夫です。

数年前から「ノンキルト」「圧着キルト」「ゴアテックス」などと言う縫製や生地がありますがクリーニング時のリスクについて良く相談の上、購入したほうが良いと思います。
マキタでは使用時やクリーニングの時にラミネートの部分が剥がれる等の問題点が解決しておりませんので現在は取り扱っておりません。

キルティングの形はいろいろですが最近はさらに肌沿いが良くなるように上下の間を二重にした「二重キルト」「ツインキルト」が高級品の定番になっています。

羽毛布団ツインキルト説明

羽毛布団のリフォーム

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